News&Column

【Wine Column:♯5】シャンパーニュ製法について

2025.06.23 コラム

 株式会社ASWINEが輸入・販売するラグジュアリービールGÔDE(ゴード)はフランス・フランドル地方で一次発酵後、シャンパーニュ地方に運ばれシャンパン酵母を添加後、シャンパーニュ製法による二次発酵を行うビールで、一般的なビールと比べると色調は少し濃い目のゴールドで、泡立ちはきめ細かく、香りには数多くのキャラクターを感じることができ、テクスチャーと飲みごたえの強い喜ばしいビールです。一線を画す主な要因としてはやはりシャンパーニュ方式による二回目の発酵でしょう。

 

 それではそもそもシャンパーニュ製法とはなんなのか、シャンパーニュとはなんなのか紐解いていきましょう。シャンパーニュとはフランス・シャンパーニュ地方で造られたスパークリングワインのことであることはご存じかと思いますが、ではスパークリングワインにはどういったものがあるのか全体像を捉えましょう。


代表的なスパークリングワインには

 フランスではシャンパーニュ、クレマン、ペティヤン。

 イタリアではフランチャコルタ、プロセッコ、ランブルスコ、フリツァンテ。

 スペインではカヴァ、コルピナット。

 ドイツではゼクト、ペールヴァイン。

等があります。その他、日本を含む多くの国で上質なスパークリングワインが生産されていて、その中でも、シャンパーニュと地質学的に共通項が多いイギリス産のスパークリングワインや、この10年で20倍近い輸出量になっている南アフリカのMCCが人気。また、ボランジェがオレゴン州ウィラメットヴァレーで、クリスタルのルイ・ローデルがアンダーソンヴァレーでと、フランスの有力シャンパーニュメゾンなどがアメリカにて超高品質スパークリングワインも話題になっています。因みによく聞く「スプマンテ」という言葉は、イタリアの発泡性ワインの総称で、フランスでは「ヴァンムスー」、スペインでは「エスプモーソ」、ドイツでは「シャウムヴァイン」と呼ばれ、その他ほとんどの国では「スパークリングワイン」と呼ばれることが一般的です。

 

それぞれのスパークリングワインにはその国や地方による厳格な規定があり、カジュアルなものからラグジュアリーなものまで製造されています。その中でもやはり圧倒的な存在感を示すのがシャンパーニュです。

ラグジュアリービール「ゴード」(GODE)にも用いられているシャンパーニュの造り方を見ていきましょう。

 

〈収穫〉

房ごとの収穫が付けられているため、手摘みのみ。

シャンパーニュのブドウ畑の面積は4,000haをほこるので毎年のべ12万人ほどで収穫する。

〈圧搾〉

4,000kgのブドウから2,550ℓまでの搾汁が認められている。最初の上質な2,050ℓがCuvee、次の500ℓをTailleと区別する。

〈清澄〉

果汁をタンクの中で12~24時間ほど静置して果皮のかけらや種子などを沈殿させる。果汁を他のタンクに移し、残った不純物の量を記録する。

 アルコール発酵

ステンレスタンクや木樽などに移した果汁を天然酵母などで発酵させる。酵母が果汁の糖を食べて、アルコールと二酸化炭素が生まれる。

 マロラクティック発酵(任意)

任意。乳酸菌を添加することでワインのリンゴ酸が減り、酸味がおだやかになる。

 

 

〈調合〉

アッサンブラージュと呼ばれる。品種違いや畑違いのワインを組み合わせる。ノンヴィンテージワインの場合は、過去の取り置きワイン(リザーヴワイン)も加え、スタイルの安定化を図る。

〈瓶詰〉

ティラージュと呼ばれる。ワインに糖と酵母を加えた液体を加えた液体とともに瓶に入れる。

瓶内二次発酵

糖と酵母を再び加えたことで、2回目の発酵が起き、密栓された瓶内に炭酸ガスがたまり、ワインに溶け込む。シャンパーニュは5~6気圧ほど。

〈瓶内熟成〉

ノンヴィンテージで15ヵ月、ヴィンテージ有りのワインで36ヵ月という最低熟成期間が定められているが、ほとんどの生産者がそれ以上の期間を取っている。

〈動瓶〉

ルミュアージと呼ばれる。瓶内に残った滓を瓶口に集める工程。毎日8分の1ずつ回転させながら、平水状態から徐々に傾斜をつけ、最終的に倒立させる。

〈滓抜き〉

デゴルジュマンと呼ばれる。この工程までにどれだけの期間熟成されたかが非常に重要。シャンパーニュの成人式のようなもの倒立状態のボトルの瓶口をマイナス27℃の溶液に浸し、滓を凍らせる。その後抜栓し、瓶内のガス圧で滓の塊を取り除く。目減り分は同じワインで補填したりする。

〈糖分調整〉

ドサージュと呼ばれる。最終的な甘み、味わいの調整。糖分を加えたワインや、調合されたリザーヴワインを添加し甘辛度を決める。その残糖料に応じて甘辛度がラベルに表記される。

例:Brut, Extra Brut

〈打栓〉

コルクを打栓してミュズレで固定。更に生産者のもとでねかせてなじませて出荷。

 

この一連の製造方法が「シャンパーニュ方式」や「伝統製法」と呼ばれます。有名なプレステージシャンパーニュとなると、収穫から出荷まで8年~10年かかることもあり、まさに時間のかかる造り方で、それに伴い資金力も必要となります。

ラグジュアリービール「ゴード」(GODE)は醸造したビールを「瓶詰」の段階からこの製法を取り入れ非常に手間のかかる丁寧なビール造りをしております。

 

では他にどういった醸造方法があるのか解説します。

 

・シャルマ方式

2次発酵までを個別の瓶ではなく大型のタンク内でやる。酸素に触れにくくフレッシュでフルーティな味わいのスパークリングワイン向き。大量生産に適している。

 

・トランスファー方式

瓶内で2次発酵をしたワイン一度、加圧下のタンクへ出す。冷却、濾過してから新しいボトルへ詰め替える。ルミュアージュとデゴルジュマンを簡略化したもの。

 

 

・アンセストラルメソッド

発酵途中のワインを瓶詰めして残りの発酵を瓶内で行うことで、瓶内にガスを充満させる。

 

・炭酸ガス注入方式

加圧化のタンク内で炭酸ガスを吹き込む。ワインに溶け込みにくいのですぐにガスが抜ける。

 

同じスパークリングワインでもその時間と資金のかけ方は雲泥の差があります。

今後、数あるスパークリングワインを飲む際は醸造方法を意識して楽しんでみてください。」


Columnist

木下 隆一
前回のオーストラリアワイン産業のコラムの流れから、今回は株式会社アスウィンの主力ブランドで
ある、ワラムンダ・エステートについて寄稿させていただきました。
当主のご長女、オリヴィア氏へのインタビュー時間を設けさせていただきましたが、対処療法的な様々
な醸造のノウハウをヒアリングしきるには何倍もの時間が必要でした。2013年からの蓄積データしかな
い中で毎年一貫したスタイルを構築することは、かなりのセンスが求められることだと思います。
私の周りにもあからさまなブルゴーニュラヴァーが多いですが、このワラムンダ・エステートのエレガ
ンスは受け入れて頂けることばかりです。まだ飲んでいない方には一度おすすめ致します。


Bar 九
東京都中央区銀座6-4-8曽根ビル2F
03-6274-6071


Instagram

 barkyu_9(店舗)

 https://www.instagram.com/barkyu_9     

Ryuichi_9_kinoshita(個人)

https://www.instagram.com/Ryuichi_9_kinoshita